検討されるリフォーム工事のなかで、トイレリフォームは最も多いという調査結果があります。
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査第11回調査報告書(平成31年)」によると、マンション・戸建て住宅ともに「洗面台・トイレ」が多くの回答を集めていました。
この調査結果から、問題なく使えているトイレでも、ゆくゆくはリフォームを考えなければならないタイミングが高い確率で来る、といえるでしょう。
しかし、そのタイミングはいつなんでしょうか。
今回はトイレリフォームを考えたほうがいいタイミングについてご紹介しますので、ぜひ決断の材料にしてみてください。
■決意するべきタイミングは?
トイレリフォームのタイミングを見極めるには、以下のような事象に着目してみるといいでしょう。
・老朽化した
トイレが老朽化し、性能が落ちてはいませんか。
詰まりやすい・水漏れしたなどの不具合は配管やパッキンの劣化が考えられます。トイレの便器自体は高い耐久性を誇っていますが、パーツごとの寿命に着目すると約10年ほどで限界がきてしまうものも。
部分ごとに修理をしていくのもいいですが、時間がたっているならどれも等しく壊れやすい状態になっているので、思い切って本体を交換してしまったほうが経済的ということもあります。
・水道代が高く感じる
トイレは意外にもたくさんの量の水を使用します。
1990年代以前のトイレだと、大で約13L・小で約8Lの水で流していました。これを一人で大小合わせて7回の使用と仮定し、4人家族で1日使用すると、合計で約244Lになります。浴槽の容積が平均200Lなので、それよりも多い数字ですね。
2006年以降は節水効果の高いトイレが発売されており、現在は大で約4L・小で約3.5Lで済むほど技術が進んでいます。
昔のものと比べると約70~60%の水を節約できるので、負担になっていた水道代が一気に軽くなるかもしれません。
・修理をした
「老朽化した」と重複しますが、なんらかのトラブルでトイレの修理を行ったなら、早めにリフォームを考えたほうがいいでしょう。
築10年以内での修理ならまだしも、10~20年が経っているなら、その後も多くの不具合が見られるかもしれません。水道修理業者は玉石混交のため、運が悪いと修理後に高額な費用を請求されるなどのトラブルが予見されるでしょう。
このようなリスクを回避するために、新しいトイレに替えてしまうのも一つの手と言えます。
なお、製造が終了して10年がたっているものなら、修理用のパーツがない可能性が高いです。そのようなトイレなら修理よりもリフォームを考えてみましょう。
・年をとって不便さを感じた
トイレは高齢者の方にとってどうしても負担のかかる場所です。
手摺りがなくて転倒してしまったり、間に合わなくて床を汚してしまったりと、当人のみならず同居されている方や介護をされている方にとっても問題が降りかかるようになります。
そのようなときは、手摺りの取付けなどのバリアフリー化、抗菌・消臭性の高い床材・壁紙クロスに替えてみるのもいいでしょう。面倒を見る時間が長いと、どうしても掃除が難しくなってしまうので、なるべくその手間を省けるような設備を整えると楽になるかもしれません。
まだ元気なうちでも、子どもから心配されるようになったら検討を始めるといいでしょう。
■賃貸のトイレはどうすればいい?
賃貸にお住まいで、トイレが徐々に使いにくくなってくると、リフォームをしたくてもどうすればいいのか分からないですよね。
もしトイレを交換したい場合は一人で勝手に行うのではなく、管理会社やオーナー、大家さんに確認を取りましょう。
リフォーム許可のほかに費用や工事期間、どちらが負担するのかについて取り決めを行い、原状回復についても聞き取りましょう。原状回復とは入居時の状態に戻すことで、例にあげるとキズの入った壁紙の交換などを行いますが、トイレの交換を行った場合はオーナー次第で古いトイレに戻す必要があります。
そうなると、リフォームの許可は出ても古いトイレを保管しておいたり、退去時の工事で費用がさらにかさんだりするので、リフォームによる恩恵が少なく感じるかもしれません。
なお、お風呂とトイレと洗面台が一体になっている3点ユニットの場合はトイレの交換ができませんので、不備が見られたら速やかに管理会社・オーナー・大家さんのいずれかに相談しましょう。
■トイレリフォームの工事期間と相場は?
トイレリフォームはさまざまな内容があります。
どのようなものがあるのか見ていきましょう。
・温水洗浄便座の交換
温水洗浄便座の寿命は10年ほどとされています。
こちらを交換すれば工事費・製品代・処分費用合わせて約3~12万円ほどかかるでしょう。
業者やトイレにもよりますが、約1~2時間で工事が完了するようです。
温水洗浄便座はトイレ近くにコンセントがなかったり、製品サイズによって取付けられなかったりする理由からリフォームができないことがあります。事前に確認するようにしましょう。
・本体の交換
トイレ本体の交換にかかる費用は最低でも約10万円はかかり、製品に強いこだわりがなければ約20万円以下で済むことが多いようです。
交換工事は本体のみなら約2~3時間で済みますが、システムトイレなら半日~1日かかることが多いようです。その間は当然トイレが使えないため工事前に用を足しておくか、近くのコンビニや施設などのトイレを借りましょう。
・内装工事と本体の交換
壁紙クロスや床の張替えも加えると、費用は本体の交換費に約3~10万円ほどがプラスされるでしょう。
もちろん、トイレを交換せずにこれらの内装を替えることも可能です。
内装工事も込みなら工事期間は約半日から1日、長くて3日かかることもあるでしょう。
ひと昔前のトイレだと、現在のものよりサイズが大きいことからトイレ交換後に古いトイレの跡が残っていることが。そのようなときは合わせて床の張替えをオススメします。
・バリアフリー化
トイレのバリアフリー化は工事内容によって費用もさまざまですが、手摺りを例にあげると約1~10万円ほどかかります。
ほかに引き戸への変更は約5~15万円、スペースの拡張に約15~30万円とかかるため、すべてをそろえようとすると高額になってしまいます。予算に不安があるなら、現状必要なものを選ぶようにしましょう。
なお、バリアフリー化の工事は自治体から助成金を受け取れることが多いので、ぜひ調べてみてください。
■まとめ
流れにくくなったり、掃除しても臭いや汚れが残ったりなどの不具合が目立ち始めたら、トイレリフォームのタイミングでしょう。現在のトイレは性能が優れているため掃除の回数も少なくすみ、非常に快適な使い心地を得られます。
建築工房昭は京都府・滋賀県・大阪府・奈良県にて水回りリフォームやバリアフリー工事のほか、新築工事や増築工事、オフィス・店舗・工場の改修工事などを行っております。
お見積り・ご相談は無料ですので、トイレリフォームでお悩みでしたら、ぜひお問い合わせください。